亀田レポート紹介 ☆第1弾☆
カテゴリ:社内イベント
先日のブログでも簡単にご紹介しましたが、
ひと月前の6月7日、メディヴァでは希望者を募り、
我が社のメッカと言われる、「亀田総合病院」見学に行きました。
その時学び・感じたことを、参加者全員でレポートを書きました。
同じものを見て、同じ話を聞いて書いたレポートですが、
視点は本当に様々です。
その中から3つほどご紹介したいと思います。
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研修報告書
医療法人鉄蕉会 亀田メディカルセンター
報告者
コンサルティング事業部 園田
1. 研修概要
日時 2010年6月7日 月曜日
研修先 医療法人鉄蕉会 亀田メディカルセンター
〒292-8602 千葉県鴨川市東町929
TEL 04-7092-2211(代)
http://www.kameda.com
研修目的 亀田メディカルセンターを通して、医療ビジネスの動向を学ぶ
2. 研修スケジュール
亀田信介院長講演:亀田メディカルセンターの概要と産業構造改革を念頭に置いた医療ビジネスの動向
亀田信介院長によるセンター案内:Kタワー、亀田総合病院、亀田クリニック安房地域医療センター、亀田ファミリークリニック館山
亀田信介氏・省吾氏とお食事会@地魚料理なが島
3. 医療法人鉄蕉会 亀田メディカルセンター概要
亀田グループは、鴨川市・館山市を中心とした南房総地域で、病院、診療所、学校などの医療関連事業を営んでいる。グループの中心である亀田メディカルセンターは、亀田総合病院(急性期)を中核病院として、亀田クリニック(外来診療)、亀田リハビリテーション病院、亀田ファミリークリニック館山、亀田総合病院付属幕張クリニック、亀田MTGクリニックで構成される。亀田メディカルセンターとその他社会福祉法人安房地域医療センターなどの関連法人や周辺医療機関とは連携が取られており、南房総の地域医療のニーズにこたえる医療提供体制が形成されている。亀田グループは、IHN(Integrated Healthcare Network)という考え方を導入し、セーフティネットを担う医療事業体を経営統合し、また機能分化および電子的に統合することで、地域住民が必要とする多様な医療・介護・福祉サービスをシームレスに提供する仕組みを提供しようと試みている。
4. 施設案内(写真撮影者:園田)
亀田総合病院(急性期医療)千葉県南部の基幹病院として救急医療から急性期医療、在宅医療に至るまで地域のニーズに合わせた医療を提供。
診療科:31科 1日患者数:約500人
病床数:一般865床(開放30床)、精神60床
救命救急ヘリポート
施設認定:千葉県救命救急センター
三次指定、災害拠点病院、HIV拠点病院、千葉難病支援事業(地域中核病院)、地域リハビリテーション支援病院、千葉県総合周産期医療センター、地域がん診療連携拠点病院、厚生労働省臨床指定病院、厚生労働省(外国人医師)臨床修練指定病院、厚生労働省歯科医師臨床研修指定病院 ほか

Kタワー(手術センター、総合周産期母子医療センター、入院病棟)
13階建。
手術センター(手術部屋が17室、年間約6000件)
24時間のCSSセンター(手術シミュレーションセンター)が設置されており、研修医をはじめとして医師・看護師はいつでもシミュレーションすることができる。手術は徹底的な統制・管理がされている。
南総地域で分娩ができる病院はここしかなく、地域の妊婦が分娩に訪れる。個室で立会分娩ができる設備が整えられている。地域のインフラ機能を担っているため、分娩料は聖路加病院の半分以下。総合周産期母子医療センターには、遠隔ビデオなどを設置するなど、ダブルセキュリティ管理がされている。
患者のQOLを向上させることに徹底的にこだわった入院病棟。
一般個室21㎡。各部屋トイレ(ウォシュレット)、シャワー、冷蔵庫、エアコン、ソファベッド完備。タッチパネル式ベッドサイド端末からは、テレビやインターネットほか、カルテ連動式の食事選択やルームサービスを含む院内外の様々な設備を利用可能。音のしない家電とお年寄りでも簡単に操作できるタッチパネル端末は院長のこだわりである。オープンカルテシステムPLANETを利用することにより、カルテ閲覧もできる。このシステムは、内部隠ぺいや内部告発をさけるというリスクマネジメント機能を果たしている。また、各フロアにはファミリーダイニングとラウンジが設置されている。病院であることを感じさせないために、患者用と医療業務関係者用の廊下を分けており、アメニティから内装にわたって細やかな配慮がされている。
12階にはエグゼクティブフロアとICUが設けられている。また、13階には、完全分室化されたレストランと霊安室が設けられている。霊安室フロアには24時間の湯灌師が待機している。これは、患者の家族の満足度や医療サービスの質を上げるという目的とは別に、看護師の労働を奪わない工夫として行われている。
地域医療連携などを円滑に行うための、24時間対応の総合相談センターやクレームに対応するカスタマーインフォメーションセンターが設けられている。総合相談センターの様子
亀田クリニック(外来診療)診療科:31科
病床数:19床
診察室: 約100室
1日患者数(※): 2700人
※ 患者の8割近くは地域住民である。安房地域は高齢化率が約31.5%と高く、また周辺医療機関があまり良くないので、患者の獲得がしやすい状況にある。
5. 亀田グループの医療ビジネス構想
亀田信介氏によると、
「高齢社会時代の医療・介護の役割は、安全・安心の提供と最大産業としての経済活動の柱である。」
◆ポイント:
① IHN(Integrated Healthcare Network)を出汁にしたシニアな『まちづくり』
② 医療ニーズに適する医療人材確保の時代から教育の時代へ
③ 医療機器デバイドではなく治療法デバイドを解決する
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① IHN(Integrated Healthcare Network)を出汁にしたシニアな『まちづくり』
高齢者資産は約2000兆円といわれており、高齢者やその家族のニーズに応える構想が必要とされる。
対策:
A) ガバナンスの問題から、3市1町を合併させる(県の介入を飛ばす)
B) 医療情報の一元化を図るために、国(財務・総務・厚労)と合同で社会保障ID導入を目指したモデル事業を走らせる
C) アクティブシニアを誘致するために、医療機関の近くという立地条件など、彼らのニーズを満たすような居住施設や、家族や孫も一緒に楽しめるような娯楽施設、また彼らが社会参加できるような場を作る
D) 有料老人ホームをつくるなどアクティブシニアの老後をシームレスにサポートするような仕組みを作る
② 医療ニーズに適する医療人材確保の時代から教育の時代へ
医師・看護師などの医療専門職の有効求人倍率は5.61倍。上昇傾向。医療専門職の絶対数が限られている中で、いかに医療ニーズに応える医師と看護師を連れてこられるかがカギとなる。
対策:医療ニーズにこたえる人材を育成する教育プログラムを立ち上げる。
A) 亀田医療技術専門学校(http://www.kameda-i.ac.jp/)の学校法人化(H22年4月~)7:1看護の充実化に向けて準備。
B) 中国人看護師を受け入れ、中国人富裕層をターゲットとしたメディカル・ツーリズムへの準備をする
C) 亀田総合病院での専門医教育プログラム
D) 社会福祉法人太陽会 安房地域医療センター(近々2次対応の救急センターと透析を導入)と亀田ファミリークリニック館山での研修を組み合わせた地域医療医プログラム
E) 亀田ファミリークリニック館山での家庭医教育(透析やリハビリなど、家庭医の強みとなるような分野と組み合わせる)
③ 医療機器デバイドではなく治療法デバイドを解決する
日本では、かつて医療機器デバイドが問題とされ、その対策の結果、高度な医療機器が過剰に供給されることになった(たとえば、PET-CT)。しかし、実の問題は、国際的にみれば「治療法が遅れている」ことにある。診療報酬の問題で先進医療や関連技術産業がスケールアウトしない現状がある。
特に、高齢社会の問題は、ガン対策。高齢者のほとんどが何らかのガンを発症するが、進行は遅く、致死の原因にはならない→「ガンと付き合っていく」治療法が重要になってくる。(化学療法の検討も含め、メディカル・オンコロジーの発展が求められる)
A) 診療報酬の改訂を国に働きかける
B) ガン治療に必要な機器(ロボットミキシングなど)の技術を持つメーカーと連携して、関連産業を育てる。(国際マーケットで1番の技術にする)
6. 感想
私は、これまで自治体病院など、公的病院を中心に見てきた。「公的病院がつぶれると、地域の医療提供体制は崩壊し、地域住民は安心して生活できない」というロジックがその根底にはあったからだ。しかし、亀田グループの取り組みを見て、たとえ社会インフラとしての医療であっても、公的医療機関が中心となって運営しならなければならない理由はないのではないか、と思い直した。公的病院がなくても、民間の医療事業体が地域の医療ニーズに応えることができれば、住民には安全・安心の医療が提供される。同時に、周辺の医療機関にとっては、亀田グループのような巨大事業体は脅威となるだろう。両者がWin-Winウィンウィンとなるような関係性の構築に成功するようなビジネスを作れたところは生き残るし、そうではないところは去っていくという構図ができてくると予測される。いずれにしても医療ニーズに応える医療提供体制があれば、住民(患者)にとっては問題のないことだと思う。
医療提供体制の在り方が変われば、医師の行動パターンも変わってくるだろう。すでに傾向が表れているが、長期的にも、医師は自分の提供したい医療が学べ、そのような医業を実行できるポジションを狙って移動するようになってくるだろうし、看護師は職責を過丌足なく全うできるような環境を選ぶようになると思う。経営側が考えなければならないポイントは、患者の医療ニーズに合わせて医師や看護師を誘致また育成し、同時に彼らのニーズを満たすような医療環境を作っていくかということではないかと思う。特に医療者の教育について考える必要があるのではないだろうか。大学の医局や関連病院での実習によって得られていた教育機能を、医療者間のモチベーションや仲間意識などのソフトな面も含めて、代替する仕組みを作る必要があると思う。同時に、医療以外の業務に関してはシステム化するなどして、効率的に仕事ができるような環境をつくる必要があるのではないか。(メディヴァの支援先である医療法人プラタナスの医師確保には、亀田病院みたいな教育機能を持った病院との連携も積極的に進めるべきではないかと思った。)
もう一点気になったのは、ガン健診と治療法についてである。患者のニーズに合う治療法に着手できれば、患者にとってもハッピーだし、ビジネス的にもいいのではないか。もっと調べてみたいと思った。
みんなでお食事@なが島
以上

