医療機関経営の日記 | コンサルタントとして日々直面する病院・クリニック経営の課題に迫ります。


「診療報酬改定の方向性」

2010.01.20

政権交代後、始めての診療報酬改定の骨子案が提示されました。
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/01/s0115-6.html

今回は、診療報酬全体では+0.19%のプラス改定、うち診療報酬 本体では+1.55%という方針が既に確定している一方で、再診料等の見直しが既に議論の俎上にあがっており、非常に注目の改定となっております。

骨子案を、私なりにざっと確認してみたところ、次のような点がポイントではないかと考えています。

 1)診療所全体、特に単価の低い診療科は非常に厳しい。
 ・診療所の再診料が病院と同程度に下がり、外来管理加算の見直しが入りそうです。
 ・単価の低い診療科(整形、皮膚、耳鼻咽喉等)では、初再診料が収入の10%以上を占めており、 ここが下がるのは非常に厳しい状況です。

 2)一方で、有床診療所にはプラスの方向性が示されました。
 ・これまで、その存続自体が危ぶまれていた有床診療所ですが、急性期病院や介護施設からの受け皿になることで、明確にプラスとなりそうです。

 3)病院の入院は全体的にプラスですが、DPCはいよいよ見直しが入ります。
 ・救急、小児など入院については、全体的にプラスとなりそうです。
 ・DPCは調整係数のうち、激変緩和措置分については段階的な見直しが明記され、徐々に機能や施設に応じた配分と修正が入りそうです。

 4)在宅診療は、大きな動きが無さそうです。
 ・診療報酬の一部(高専賃、集合住宅訪問等)は見直しが明記されていますが、今回はあまり大きく変化する見込みがなさそうです。
 ・一方で在宅早期の加算、緊急往診などで増収要因もありそうです。

 5)リハビリは、早期リハは増収だが、維持期は介護により近づく可能性がありそうです。
 ・早期リハビリについては、全体的に施設基準にあわせて増収が見込まれています。
 ・一方で、維持期については、介護との連携が明確に明記され、今後の介護保険との一体化の布石が打たれているようです。

 6)精神病院は、特徴があればプラス、慢性期は見直しになりそうです。
 ・急性期や社会復帰、児童などの特徴ある病院は増収の可能性がありそうです。
 ・気になるのは、入院患者の重症度に関する基準が導入されることで、療養型の医療区分やADL区分に近いとすると、それにあわせて運営を変更する必要がでてきそうです。

立場によって、感想は違うと思いますが、少なくても診療報酬全体のプラスが全ての医療機関の収入をプラスにするわけではなく、外来主体の診療所にとっては厳しい内容になる可能性が高そうな状況です。
今後、パブリックコメントの整理、具体的な診療報酬の設計などが始まりますので、こまめに情報確認をしていきたいと思います。

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