医療機関経営の日記 | コンサルタントとして日々直面する病院・クリニック経営の課題に迫ります。


再生の方法論の本質とは?

2010.08.05

以前、このブログでも書きましたが、ある再生に関わっている診療所の話になります。

この診療所では、当初はスタッフの態度も良くなく、患者さんもついておらず、営業体制は未で、、、年間の赤字も1億円に達しようとしていました。当社が再生に入って以降、営業の再構築、スタッフのモチベーションアップなどを続け、介入後1年半で売上げが倍になりました。
http://www.mediva.co.jp/komatsu-blog/2008/10/post-3.html
http://www.mediva.co.jp/komatsu-blog/2008/11/18.html

現在、この医療機関に関わって、4年目になります。営業的な面での強化は継続し、また患者さんを受け入れる体制の整備も進んだ結果、売上高は当初の3倍以上となり、利益も安定的に出せる経営体制となりました。

この現場スタッフと最近、飲む機会があったのですが、あらためて見直してみると、スタッフの雰囲気は全く変わり全体的に活気がありました。以前は職種ごとに小さくまとまっていましたし、批判的な話も聞こえてきたものですが、職種を越えて仲良く話をしており、お互いの気心が知れているような温かい雰囲気がありありと伝わってきたことに驚きました。当然、細かい課題は常にありますが、このスタッフのエネルギーこそが、再生を実現した原動力であると確信しています。

このスタッフの変化ですが、各スタッフの思いやスキルによるものも多いとはいえ、当社としてサポートしてきたことは何かを改めて考えると、次のようなものかと思っています。

1.診療所の経営状況の開示と今後の目標の共有化
2.個人の業務課題の抽出と定期的な個人面談
3.メリハリの効いた組織人事の決断

1.診療所の経営状況の開示と今後の目標の共有化

 再生になるような医療機関では、ほぼ全ての医療機関で、現場が経営に対して不信感を抱いています。その不信感があることによって、全体的な戦略や方向性については、思うように動かないことがままあります。この診療所に限った話ではありませんが、赤字も黒字も全て開示するという姿勢は、結果として害よりも益があることが多いです。我々は、とにかく経営状況や運営のリスクについて
は隠し立てをしないような運営を心がけてきました。

2.個人の業務課題の抽出と定期的な個人面談

 スタッフはそれぞれが一人の人間です。当たり前ではありますが、一人の人間として、気持ちの良い職場で働くこと、自分が所属する組織が成長することが嫌いなスタッフは少ないです。また、自分のやっていることがきちんと見られていて、評価されることも本人のモチベーションにつながることが多いです。そのため、大変に時間と手間はかかりますが、幹部職員による全員の個人面談は欠かさ
ず続けてきました。

3.メリハリの効いた組織人事の決断

 組織、特に管理職クラスの人事は本当に悩みが多いです。1スタッフとしては優秀でも、管理職になるととたんに動きが悪くなる方もいらっしゃいます。そのため、組織人事はよくよく考えて決定をするべきことなのですが、それでもあきらかに失敗したと思った場合は、即座に反省し本人にも明確に評価を伝えて、人事の差し戻しも行ってきました。

再生案件ごとに、その戦略的な道筋は異なります。しかしながら、そのいずれにおいても人であるスタッフが要であり、そのスタッフの働き一つで再生の実現性も成長性も変わることは明白な事実だと思っています。その意味において、上記の方針は、我々が他の案件でも活用している方法であり、そして再生する現場の本質に関わっているのではないかと思っています。

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